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ウコン

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ウコンの花
熱帯アジア原産のショウガ科ウコン属の多年草で、春(初夏)にピンクの花を咲かせる「春ウコン」(学名=クルクマ・マロマティカ)と、秋(晩夏)に白い花の咲く「秋ウコン」(学名=クルクマ・ロンガ)の2種類がある。いずれも地上部は芭蕉に似た形状で高さ1.5メートルほどになり、生姜に似た大きな根茎をもち、ときにそこから出たひげ根の先端が肥大根となる。掘り上げた生の根茎を切ってみるとどちらも高い芳香性があるが、内部の色に違いがあり、春ウコンが鮮やかな黄色であるのに対し、秋ウコンは橙色を帯びる。乾燥した粉末を見ても、この差は歴然としている。また、春ウコンにはやや辛味と苦味があるが、両者の区別がはっきりしたのは近年の研究成果である。従来カレー粉の原料として利用されてきたのは主に秋ウコンで、特有の味と香りはターメリックと呼ばれる香辛料が主役となっている。また、各種食品の黄色の着色料としても用いられる。

中国薬草書の古典、李時珍(りじちん)の『本草綱目(ほんぞうこうもく)』には、このウコンに関して「欝金」と「姜黄」の2つの記述があり、欝金については「血を止め、悪血を破る。血淋、尿血、金瘡(きんそう)を治す」とされ、姜黄については、「気を下し、血を破り、風熱を除き、血塊を治し・・・」とした後で「功力(効力)は欝金より烈し(強し)」と述べている。また伝統的に中国では、春ウコンの根茎を「姜黄」と呼んでいたことも考え合わせると、ここで「効力は欝金より強し」と述べられた姜黄が春ウコンであると解釈するのが妥当であると考えられる。

日本には、すでに平安時代中期に中国から渡来し、慶長年間(1596~1610)に沖縄(琉球)特産の薬草として珍重され、砂糖とともに重要物産として専売制を布いて大々的に栽培され、次いで九州南部でも生産されるようになって、健胃薬、通経薬、利胆薬、産後の下血、血尿、体内の鬱血を解消する駆於血薬(くおけつやく)として広く用いられ、平胃酸(へいいさん)、猪苓湯(ちょれいとう)などの方剤としても盛んに利用された。近年、伝統的生薬を見直す機運の中で改めて脚光を浴び、さまざまな大学による成分分析や作用の解明が進められるとともに、前記のような春ウコン、秋ウコンの区別なども明らかにされてきたものである。

黄色い色素であるクルクミンや精油成分(フラボノイド、カンファー、アズノン、シオネールなど)についての薬理実験では、肝臓の解毒機能促進、胆汁分泌促進、胆道結石除去、利尿、強心、抗出血、抗菌、抗腫瘍、血中コレステロールの抑制作用などが明らかにされている。適応症としては肝炎・胆道炎・黄疸・胃炎・生理不順・高血圧低血圧、動脈硬化など多く数えるが、近年は特に慢性C型肝炎を含む肝臓病、ガン、糖尿病への効能に期待が寄せられ、老化や万病のもとといわれている活性酸素の除去作用、抗酸化作用にも関心が集まるようになった。同じショウガ科に属する莪朮(ガジュツ)も、薬効に富む植物としてよく知られている。

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