コブラ
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コブラとは、いうまでもなく、あの猛毒をもったヘビである。棲息地はタイやビルマ、ラオス、ベトナムから台湾、フィリピンあたりまで、東南アジアー帯に広く分布している。
「毒蛇は強精・強壮剤」という考え方は世界共通で、それも毒性の強いものほど効果があると信じられているが、実際にその効果のほどは科学的に裏付けられてこなかった。研究はもっぱらヘビの毒に向けられていて、食品としての効能効果については、ほとんど組織的な研究が行われていない。したがって、コブラの食効というのは、食べた人の体験から推測するしかないが、昔からその肝臓や胆嚢は目の薬で、老眼も回復するといわれている。
日本食品分析センターが内臓を除去して肉と骨だけの乾燥コブラを分析した結果では、タンパク質72.%、脂質1.9%、灰分19.4%、カルシウム5.7%、リン3%となっており、そのほか100g中に鉄4.21㎎、カリウム795mg、ビタミンB1 0.3mg、B2 0.39mgを含有している。
しかもこのタンパク質を合成するアミノ酸が、必須アミノ酸を含めて18種類もある。これがコブラの食効の優れたところであろう。
また、アミノ酸の一種であるオフィジンという物質は、血行を促進し、筋肉運動を正常化させる作用があるとされる。また、スペルミンというアミノ酸は、精子をつくり、勃起中枢を刺激する。~
動物実験でスペルミンを投与すると、性腺刺激ホルモンが分泌され、メスは子宮壁や膣壁が充血し、オスは精液の産生が高まることがわかっている。コブラがすぐれた精力剤、強壮剤といわれるのは、どうやらこれらアミノ酸のためと思われる。
そのほか「コエンザイムQ」というエネルギー代謝に寄与する生理活性物質があり、これがスタミナを賦活させるもので、コブラの驚異的な生命力や執念のすさまじさはこれに由来するものであろう。
またコブラの体池にはビタミンA・D・E・Kが含まれている。また、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などの必須脂肪酸の含有量も多く、さらにレニンという物質も体油中に含まれていて、必須脂肪酸とともに血圧を調整する役割を果たしている。
つまりコブラの体油の中に、高血圧は下げ、低血圧は上げる両方の血圧調整成分が含まれているというわけである。
ところで、コブラの蛇毒には制ガン作用があるという研究発表がある。インドのガン研究所生化学部のブラガンザ博士が、「国際動植物、微生物毒素シンポジウム」で発表したものである。
コブラについての基礎研究はまだほんの序の口だが、しかし東南アジアや中国では日常的に食べられており、健脳、強壮、強精、若返りの妙薬として珍重しているのである。