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スピルリナ

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スピルリナ」とは聞きなれない名前であるが、ラテン語で“らせん”、“ねじれる”という意味を持ち、細胞がコルク抜きのようにらせん状にねじれていることから、こう呼ばれている藻の一種である。

同じ藻の仲間にはアサクサノリなどの紅藻、昆布やワカメなどの褐藻、クロレラや青海苔などの緑藻、スイゼンジノリなどの藍藻がある。スピルリナはこの中の藍藻類に属している。主にアフリカや中南米の亜熱帯地方に多い。その中で食用になるスピルリナは、普通の藻が淡水に棲息しているのに対し、高温・高アルカリ・高塩分という厳しい環境下で繁殖するのが大きな生物的特徴である。この条件はまた雑菌の繁殖を防ぐのにも役立っている。

食用としての歴史も古く、16世紀のメキシコ高原に栄えたアステカ王国では、この地に多い塩湖に自生していたスピルリナを常食していたという記録も残っている。そのためか、メキシコ政府は1973年にスピルリナを正式に食料と認め、増産を援励した。またアフリカのチャド共和国では、同じく塩湖のチャド湖、ヨアン湖に自生するスピルリナを、一部原住民が昔から常食している。今日では日本の大手メーカーが、食用に最適の方法で培養・製造するようになっている。

本格的な食料化については、1967年の国際応用微生物学会(エチオピアで開催)で注目されてからのことである。この後の研究において、スピルリナに優れた栄養成分が豊富に含まれていること、消化吸収性が群を抜いて高いことがわかった。

その特徴は、まずタンパク質の含量が60~70%と非常に高く、高タンパク質食として大きな価値を持っている。

一般にタンパク質の高い良質の食品と知られている大豆でも33~35%、牛肉でも18~20%にしかならず、スピルリナはその2倍、3倍の量を含有していることになる、さらに、タンパク質の大事な条件である必須アミノ酸については12種類すべてを高単位に含んでおり、優れた栄養バランスを保っている。タンパク質は生体の構造や機能にとって中心的な働きをする栄養で、特に必須アミノ酸は体外から摂取しなければならない大切なものである。

さらに、ビタミンやミネラルも豊富に含まれているため、新陳代謝を円滑にし、体内の酸性、アルカリ性を調整する効用がある。ビタミン類ではプロビタミンAが多く、100g中100~200mg。その他にビタミンB1・B2・B6・B12・E、ニコチン酸、葉酸、パントテン酸など、ほとんど含まれている。

また、ミネラルではカリウムが特に多く、100g中1000~2000mg。カルシウム100~400mg、リン300~700mg、マグネシウム200~300mg、鉄50~100mgとなっている。そのほか、日本人に不足がちな葉緑素や、カロチノイド、フィコシアニンなどの色素類も含み、全体としてバランスの取れた栄養補助食品といえる。

こうした優れた栄養成分は、病気の治療や予防に役立つことが臨床報告や実験などによって明らかにされている。とくに各種の成人病などのように体の老化から起こる疾病は、栄養補給が重要な条件となっており、アミノ酸をはじめビタミンやミネラルなど、多くの栄養をバランスよく含むスピルリナは、優れた効果を持っていることが指摘されている。

今までに報告された中では、糖尿病、肝炎、貧血症、高脂血症、慢性膀炎、胃潰瘍、胃炎などの成人病、内臓疾患などに効果を上げた例がある。これらはいずれも栄養補給が治療の重要条件だけに、スピルリナの栄養補給が実証された例といえる。そのほか、老人性白内障や円形脱毛症など一般に治療困難といわれる症状に著効を示した例もある。また、重金属や薬物による副作用の軽減効果も報告されている。数ある健康食品の中でも、総合的な栄養補給に優れ、健康の維持・増進に適した食品といえる。形状としては粒状、顆粒上のものが主流だが、近年は液体のエキスも開発されている。

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