花粉
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花粉(かふん)
ヨーロッパで「パーフェクト・フーズ」(完全な食品)とも呼ばれる花粉は、ミツバチが自らの餌として花蜜と一緒に集めて体内にある酵素を加えたもので、働き蜂はこれを食べることでローヤルゼリーを分泌することが出来る。組成はタンパク質が約35%(そのうち半分が吸収されやすい遊離アミノ酸)、各種糖分が約40%で、他に有効成分としてビタミンA・B1・B2・パントテン酸・ナイアシン(ニコチン酸)・B6・葉酸・C・E・ルチン(ビタミンP)、さらにミネラルとしてはカリウム・カルシウム・リン・マグネシウム・鉄・亜鉛・銅・珪素などと豊富である。
長寿で知られるコ-カサスのグルジア族を生物学者ニコライ・ティシティンが調査し、100歳以上の老人の大多数が養蜂家で、花粉の混ざった蜂蜜原液(精製した残り)を常食していることが分かってから健康食品的価値が注目され、各国で効能の研究が行われるようになった。
フランスの科学者レミー・ショーバンは早くも1957年に、
- 腸の機能(便秘や下利)の正常化
- 血中ヘモグロビンの増加(貧血に有効)
- 滋養と体力回復
- 精神安定
- 副作用は皆無
と臨床実験の結果を発表している。やがて多くの研究者によって、花粉食品には抗生物質的なもの、ホルモン的成分、成長促進物質などが含有されていることが明らかにされていったが、中でもとりわけ目立つのは前立腺肥大に対する作用である。
1959年に初めて研究成果を明らかにしたのはスウェーデンのエリック・ウプマルク教授(ウプサラ大学)で、5年間に及ぶクロロマイセチン(抗生物質)の大量投与でも無効だった前立腺肥大の患者に花粉を投与し、奇跡的な回復を見たのである。1962年には同国の医師ゴスタ・リンダー博士が、前立腺の感染症にも顕著な効果を見たと発表した。その後、ドイツやアメリカの医学会でも同様の成果が明らかにされるとともに、単に排尿困難、激痛、頻尿といった症状の改善にとどまらず、前立腺疾患が原因の性欲減退、性交不能が治ったケースが次々に報告された。スウェーデンでは早くから花粉が栄養剤、感冒剤、強壮剤として用いられてきたが、前立腺肥大の治療剤として花粉だけを使った薬剤も開発されて、これは日本でも使われている。
中国では陳恕仁助教授(広州軍区軍医学校臨床研究室)らのグループが粉砕処理した花粉(固い外皮を粉砕して成分を浸出しやすくしたもの)を用いて、前立腺炎ないしそのための不妊症の患者423例を他の薬剤は一切使わず治療した結果、27%が妊娠、54%が肥大・炎症の快癒と自覚症状の消失、11%が好転、無効は8%であったと報告し、「植物の精子に当たる花粉の成分が人間の精子の成分に転換されるのではないか」と述べている。
こうした顕著な効果は花粉全体の作用であるが、特に含有成分のマグネシウムと亜鉛の着目した研究が欧米に多い。どちらも健全な前立腺や精液に比べて、患者のそれは大幅に減少していることが明らかにされており、この欠乏が前立腺ガンの危険に結びつくことも指摘されている。