瓦茸
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瓦茸(かわらたけ)
瓦茸はサルノコシカケの仲間だが、サルノコシカケとは胞子菌類サルノコシカケ科の属するきのこの一種のことで、瓦茸、霊芝、猪苓舞茸(漢方生薬の一種)、茯苓(ぶくりょう)(漢方生薬の一種)など80数種類を数える。このなかで、特に有効成分を含むものとして注目されているのが、霊芝と瓦茸である。
瓦茸が注目されたのは20余年前、呉羽化学工業がそのエキスから“PS-K(クレスチン)”という制ガン剤を開発したことに始まる。この制ガン効果はいわゆる免疫療法で、人体が生まれつき持つガンに対する抵抗力を強めることがわかり、一躍ガンの免疫療法のエースとして脚光を浴びたのである。サルノコシカケ類は、他のきのこ類とは異なり、どこにでも寄生したわけではない。そのための希少価値もあって、古くから仙薬・妙薬として珍重されてきた。その生命力は強く、例えば樹齢数百年という生きている古木に寄生してその養分を吸い取り、ついにはその樹木を枯らしてしまうほどである。
制ガン剤のPS-Kは、綿密な基礎実験が繰り返されてきた結果、
- 薬の与え方(飲ませる、静脈注射、腹腔内注入)の差によって毒性がほとんどない(つまり副作用がない)。
- 口から与えると、ある種の制ガン剤が効果を示さないガンにも効いた。
- 作用の主体は体の免疫力を高め、増強する。
- 動物のガン細胞に対して、そんなに強くないが、直接働く作用を認めた。
と、財団法人癌研究会化学療法センターが発表した。これを受けて国立病院や医療センターなどで肺ガン、食道ガン、乳ガン、胃ガン、悪性リンパ腫などに臨床応用され、制ガン作用が認められた。1976年8月に厚生省の許可が下り、翌年5月には保険も適応されるようになった。
この免疫効果は、瓦茸エキスの中にインターフェロン・インデューサー(インターフェロン誘導体)が含まれているためと考えられている。インターフェロン効果とは、生体の外からウィルスや細菌などの”異物”が進入してきたとき、これを排除しようとする生体の防御機能であり、白血球の一種であるリンパ球のT細胞(胸腺細胞)とB細胞(骨髄細胞)の働きによるものである。瓦茸エキスのPS-KはとのT細胞に強く働きかけて、ガン細胞を抑える作用を持つ(これと同じような作用を持つ制ガン剤としては、シイタケエキスから抽出したレンチナンがある)。
瓦茸の免疫作用は、従来の化学療法や放射線療法などに比較すると、効果は地味であるが副作用がなく、抵抗力をつけるので、自然な療法といえる。さらに免疫体質を強くすることから、ガンの予防にも有効性が期待される。