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牛の軟骨

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牛の軟骨が注目されるのは、その主成分がコンドロイチン硫酸という粘性物質(ネバネバ成分でその主要成分は「ムコ多糖体」)だからである。この物質はコラーゲンとともに動物の細胞間物質、結合組織の線維間物質として体内に広範に存在し、さらに骨の形成、傷の治癒、感染防止(免疫体の産生)などにも役立っている。

コンドロイチン硫酸は非常に保水性が高く、体内ではその水分を介して栄養の吸収や運搬に関与し、またカルシウムやマグネシウムなど金属イオンの移動や調節をつかさどりながら、細胞や関節のみずみずしさを保つ働きもする。しかも若年の成長期をピークに、加齢とともに体内で作られる量が減っていくために、やがてコンドロイチン硫酸欠乏症の一つとして皮膚は乾いてたるみ、軟骨も収縮して、身長が縮むという老化現象も起こることになる。
また、骨生成に必要なカルシウムの沈着にも寄与しているため、不足すれば骨組鬆症(こつそしょうしょう)などを誘発することにも繋がる。
さらに、細菌感染時には感染巣を包囲して被害の拡大を防ぐ作用もするので、不足すれば感染性の疾患になりやすくなる。また、血液中のコレステロールや過酸化脂質を除去するコンドロイチン硫酸の脂血清澄作用、抗動脈硬化作用も多くの研究者や医療現場から報告されており、これらはいずれも、加齢とともにコンドロイチン硫酸の意識的補給の必要性が増すことを示している。

細胞の増殖を促進し、精子を増殖する作用があるという報告もあり、コンドロイチン硫酸の欠乏(1日の必要量は400㎎とされる)が老化を促進していると言える。
そのほかに最近、コンドロイチン硫酸にすい臓のリパーゼ活性を抑制する作用が見出され、脂質の腸管からの吸収を抑制し、高脂血症や肥満を防止する可能性にも期待が持たれている。

このようにコンドロイチン硫酸の化骨形成、創傷治療、潤滑作用、感染防止、脂血浄化作用などに関心が寄せられ、医薬品としても慢性腎炎、神経痛、腰痛、関節痛、五十肩、難聴、眼精疲労、不定愁訴、手術後の癒着防止などに利用されてきたのであるが、1980年代の初めに、ガンが成長するときに生ずる新生血管の形成を阻害する作用のあることを発表されて以来、その抗ガン性が研究され、アメリカに次いで日本でもその事実が実験によって確認されて、一躍抗ガン物質として脚光を浴びることとなった。

コンドロイチン硫酸の化学的合成は困難なため、現在は生物資源の中でも比較的含有量が多く高品位のものが抽出できる牛の軟骨と気管が医薬品用にも健康食品用にも多く用いられており、最近はほかに鮫の軟骨も加えられるようになっている。

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