日本山人参
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日本山人参(にほんやまにんじん)
セリ科には良くその名を知られたミシマサイコ(柴胡)、茴香(ういきょう)、川窮(せんきゅう)、当帰(とうき)など多くの薬草を数えるが、日本山人参も同じセリ科(シシウド属)の多年草である。尾鈴山で1964年(昭和39年)に採集された原標本が残されており、1971年に「ヒュウガトウキ」(学名 Angerica furcijuga Kitagawa)と名づけられた。
一方、原植物は1982年に小島正秋農学博士(宮崎女子短期大学)のグループにより「日本山人参」と命名さ、翌1983年には農事組合法人が設立されて栽培と普及活動を開始。同年、同組合の依頼によって志田庄二郎教授(宮崎大学農学部)が栽培の基礎的研究を宮崎大学の実験圃場で開始し、以降約2年間にわたり研究を実施し、原植物を「イヌトウキ(学名 Angerica shikokiana Makino)」と報告した。折から生薬再認識の機運の高まりの中で断続されていた愛媛大学医学部による含有成分と効能に関する記を研究が発表されて、日本山人参は一躍注目される存在となったのであるが、志田教授はその後も観察・研究を続行してその誤認を発見、1993年に「日本山人参の原植物はヒュウガトウキである」と修正した。ヒュウガトウキはイヌトウキよりも大きく草丈2m.に達し、イヌトウキが九州・四国・近畿地方南部に分布するのに対し、自生地が宮崎のみに局限しているのが特徴である。なお、このヒュウガトウキは幕末の1845年、大分県出身の植物学者・賀来飛霞が著した『高千穂採取記』に「ウツ」という名で詳しく記された植物と同一であると推定される。
前出の奥田教授、大阪薬科大学の研究によると、代表的有効成分はクマリン系のYN-1のほか、イソプテリキシン、アノマリンなどで、薬理作用は
- アドレナリンの作用を抑制して末梢血管を拡張し、血液循環を改善
- インスリンを助長して糖尿症状を改善
- 肝臓への脂肪の蓄積を阻む
- 生体内の過酸化脂質の蓄積を防ぎ、動脈硬化、肌荒れ、脱毛を予防
- ガン患者の延命効果(癌細胞由来の毒素トキソホルモン-Lを阻害)
- アレルギーや炎症の原因となるロイコトエリンC4を抑制
- 性ホルモン(男性・女性)の分泌促進
- 血圧効果作用(アンジオテンシン変換酵素を阻害)
などであることが和漢医薬学会その他で発表された。以降、多くの臨床医が研究に参画し、NK細胞活性化作用、血小板凝固抑制作用、アルドース還元酵素阻害作用などを見出すとともに、臨床的には各種進行癌組織の収縮あるいは延命効果、また、インスリン非依存性糖尿病の高血糖値の改善、インターフェロンとの併用もしくは単独使用によるC型肝炎の治療、気管支喘息や慢性関節リウマチなどの治験例、性機能改善例、冷え、頭痛・肩凝りなどの不定愁訴への効果などが随時明らかにされてきている。