鳩麦
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鳩麦(はとむぎ)
鳩麦は、イネ科の1年生植物で、中国南部から東アジアの地域が原産地といわれる。薬用としての歴史は古く、『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』にも「久しく服用すれば、補虚、益気、身軽、などの効果がある」と効能が記されている。日本でも、昔から民間薬用植物として普及していたことは多くの書物に残されており、『民間薬用植物誌』には
- 根を煎じて通経剤とする
- 実を煎じて利尿・健胃剤とする
- 脾臓を丈夫にし、胃を強くし、食欲を増進する
- 脚気にもよく効く
- のどが腫れて痛むときに粉を吹き込むとよい
などの効用が記されている。
鳩麦の漢方名は「ヨクイニン」といい、その成分は米や麦よりもカロリーが高く、タンパク質、ビタミンB1、カルシウム、鉄分などを豊富に含み、なかでもタンパク質は良質のアミノ酸で形成され、他の穀類に比べて新陳代謝作用が大きいといわれている。そのほか、抗腫瘍作用をもつ物質の存在も明らかになっており、特殊な微量成分が含まれていることもあって再認識されるようになった。
鳩麦の薬効は多くの研究者によって明らかにされている。
- 食欲不振や胃のもたれに効果がある。なんとなく食欲がない、食べた痾と胃が重いという人で医薬品ではあまり効果を示さなかった人がよくなったという例が多い。ただし、体質によって胃をこわす例もあり、体質に合うかどうかを判断する必要がある。
- 利尿作用があるので、むくみ、脚気、腎臓、膀胱結石などにめざましい効果を見せる。ビタミンB1も多く、脚気の予防・治療に役立つ。飲み始めは体がかゆくなることもあり、少しずつ体を慣らすべきである。
- 筋肉痛、リューマチ、神経痛に効く。ヨクイニンを煎じて飲むか、粥にして食べてもよい。体の筋のこわばりや、疲れがよく治る。
- 美容効果にも期待。皮膚の栄養補給に役立ち、肌荒れやサメ肌、また吹き出ものの出やすい体質、アカギレなどの改善・治療に有効で、つやのあるなめらかな肌にする。
- イボ取り効果。特に青年性イボによく効き、老人性の硬いイボにも有効。ヨクイニンにトクサを混ぜると、いっそう効果がある。
- 制ガン作用。抗腫瘍物質としてコイクセノリドが発見され、これを利用し、ヨクイニンにフジ昆布、ヒシの実を配合した生薬が注目されている。
- 有機ゲルマニウムが多く、そのため体内の有害重金属の排除、肝硬変や悪性腫瘍の改善に有効である。
- その他、強壮効果もある。また、根の汁は肺壊疽、喀血、歯痛止めにも効果を発揮する。