枸杞
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枸杞(くこ)

高麗人蔘とともに古くから中国で漢方薬の上薬として珍重されてきた歴史がある枸杞は、漢方薬の聖典とされる『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』にその効能が記され、最近その有効成分についても研究が進み、他の薬草にない薬効のあることがわかってきた。漢方で用いるのは枸杞の実(枸杞子)、根の皮、葉などで、根や茎は民間薬として一部に伝承されている。これらの成分と効用については、それぞれに特徴がある。
枸杞子(枸杞の実)にはベタイン、ゼアキサンチン、フィリイエンなどのアルカロイドが含まれているほか、アルギニンやグルタミン酸、アスパラギン酸などの必須アミノ酸5種が含まれている。アルカロイドは神経に働きかけ、疲労した神経を興奮させる。その結果、精気がみなぎったような感じになる。アミノ酸も多く、タンパク質はホウレンソウの2倍含有しているが、それよりもアルカロイドによる強壮作用の方が確かなようである。
とくにベタインは消化器系の分泌、運動を促し、神経の伝達が潤滑になり、胃腸病に対して間接的効果を発揮、ひいては便秘の解消にもつながる。
最もよく知られている葉の主要成分は、ビタミンC・B1・B2、タンパク質(ホウレンソウの2倍)、メチオニン、ルチン(ビタミンP)、硝酸カリなどである。
とくにルチンの効用が大きい。ルチンは体内の活性酸素消去作用と相俟って毛細血管を強化する作用があり、高血圧や低血圧に効果があるといわれる。これは血管が強化されることにより、血行が順調になるからで、高血圧症の症状として現れる肩凝り、頭痛、手のしびれがなくなり、動脈硬化の予防にも役立つ。
逆に低血圧症では、ルチンの作用と、ビタミンCの貧血に対する作用で二重の効果があることも見逃せない。
さらに、葉の葉緑素に肝臓の解毒作用を助ける働きを持つため、肝臓病の予防・治療に効果があるとされる。そして、葉緑素に共通の性質で、体内に取り込まれるとアルカリ性に働き、体内の酸毒症状を改善するので、疲労回復、ストレスの防止、肝臓の強化、あるいは利尿作用の促進などに効果があるとされている。
また、クコタンニンという枸杞の葉だけに含まれている種類のタンニンは、酸化還元作用を持ち、老化を防ぐとともに、ガンの予防にも効果が期待されている。
根皮は漢方では「地骨皮(じこつぴ)」と呼び、いろいろな処方に配合されている。実と同様にベタインというアルカロイドが強壮作用を持つほか、リノール酸が含まれておりコレステロールの沈着を防止し、動脈硬化や高血圧を予防する。