昆布
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昆布(こんぶ)

日本の海には1200種にも及ぶ海草が生え、そのうち食用に供されているのが約20種で、最も多いのは昆布、わかめ、浅草海苔の三種であるが、昆布は「えびすめ、ひろめ、海帯、海帯菜」など、多くの古名を持つことからもわかるように、昔から日本人に親しまれてきた。昆布というのは褐藻類コンブ科に属する多くの種類の総称で、狭義にはコンブ属のマコンブなどを指す。日本で採れる昆布はマコンブ、利尻(りしり)昆布、ミツイシコンブ、ナガコンブ、ホソメコンブ、ネコアシコンブなど27種を数える。
昆布の成分で注目されるのは、アルカリ度がブラス308.1と、他に比べて圧倒的に高いことである。また、ミネラル類のカルシウム、ナトリウム、リン、鉄などが多く含まれているのも特徴で、中でもアルカリ性無機質のカルシウムが酸性無機質のリンよりも多く、素干し100g中のカルシウムは約700㎎、リンは約200㎎ある。
多くの食品は、カルシウムよりもリンが多く、カルシウムの不足を招きやすく、骨の組織を弱くする原因ともなる。昆布は、カルシウムの方が多く、リンが少ないので、カルシウムの補給には最適の栄養バランスを保っている。また、昆布はタンパク質も比較的多く、アミノ酸スコア(プロテイン・スコア)も67と高いが、消化吸収率が51~71%と低く、実質的には低カロリー食品といえる。
昆布の栄養で最も注目されるのは、ヨードである。干し昆布100g中に、ヨードが200~400㎎で、干しワカメの50㎎や干し海苔の2~40㎎をはるかに上回る。一般にヨードは消化吸収されにくいものだが、昆布のヨードは80%以上消化吸収されることが明らかになっており、貴重な補給源といえる。
カルシウムとヨードは、いずれも血管の老化を防ぐ働きがあり、高血圧や老化防止に有効性が認められている。日本国内の長寿村といわれる地域では、海草の摂取量が非常に多く、「昆布を食べると、血圧が下がる」という言い伝えがあるほどである。この血圧降下作用について、昆布中のラミニン(塩素アミノ酸)が有効に働くことによるものと究明され、言い伝えが科学的に裏づけられた。
そのほか、昆布のアルギン酸は糖の吸収抑制と共にコレステロールの吸収抑制作用があり、また、それを高圧加熱処理し低分子化した“可溶性アルギン酸”も、高分子のコンブアルギン酸と同様の薬効があることが明らかにされている。